第3章 煩乱

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 そして気がつけば、海斗と文乃と合流していた。 「聖耶、おはよう」 「よっ! 聖耶」  海斗を見た途端、昨日の放課後の事を思い出してしまい、もうすべてがどうでもよくなってきた……。 「? どうしたの聖耶、気分でも悪いの?」 「いや、大丈夫、問題ない……」 「本当に? 無理して――」 「大丈夫だって言ってんだろ!! ほっといてくれ! ――――……すまん」  それだけを言い残して俺は走って去った。 「……聖耶」  どのくらいの距離を走ったかは分からないが、椛高の近くまで来ていた。 「はぁ、はぁ……こっちに来てから変だな、俺……」  昔ならこれくらい造作もない筈なのに――。  さらにそんな事を考えていると、あっという間に校門を潜り、校舎の中に入って、教室へと足が動いていた。  クラスメイトに挨拶を交わしつつ、奥の方にある自分の席に向かった。  やっとの思いで席に座ったのだが、何か落ち着かなくて直ぐに教室を出て行き、即座に屋上へ向かい時間を潰した――。  「そろそろ戻るか……」  重い足取りで俺は屋上を後にして、階下し教室に戻った。 「あ、聖耶……どこに行ってたの?」  教室に入ると、文乃が駆け寄って来た。 「別に良いだろ、そんなこと……」 「む~、聖耶、昔と比べて意地悪だよ……」 「そりゃあ、昔とは今は違うからな」 「それはそうだけど――」 「まぁ、そういうことだ」 「あ、ちょっと聖耶」  俺は話を切り上げ、席へ戻る。そして、丁度良いところでHRの始まりを知らせる予鈴が鳴り響き、仕方なく文乃も席に着いた。
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