3人が本棚に入れています
本棚に追加
***************
桜の花が舞う通りを、私は母と歩いていた。
大学生活1日目。
入学式だった。
買ったばかりのスーツ
新入生の人だかり
サークルの先輩たちの勧誘
この時期のことは今でも明確に思い出せる。
長い学長の話が終わり、
クラスごとの集まりが行われた。
私が教室を覗くと、1人の女の子が私のもとへ駆け寄った。
「りのー!久しぶり!同じクラスだねー!」
「るかー!良かったー!」
入学式の1ヶ月ほど前に行われた体験授業で、私はすでにるかと友達になり、クラス発表のときにるかの名前を見つけてすでに嬉しくなっていた。
るかは、細くてくりっとした目が本当に可愛い子だったけれど、サバサバしていてショートカットが似合うリーダー向きの女の子だった。
私はるかと隣の席に座り、
静かに座って入学式でもらった資料に目を通しながら、担任が来るのを待つ周りの人たちを全く気にせずに入学式長かった、桜並木がきれいだったと、話に花を咲かせていた。
しばらくして、担任が教室に入ってきた。眼鏡をかけていかにも昭和の雰囲気が漂うパーマをかけた女性だった。
担任は軽く自分の自己紹介を済ませると、前から順番に自己紹介をするように言った。
前に座っていた人から順番に、名前、出身地、自己アピールを発表する。
最初のコメントを投稿しよう!