No.標

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「…あ。レイ!おはよう」 その声に少し立ち止まって顔だけを後ろに向ける。 何がそんなに楽しいのか朝からテンションの高いナルカが、丁度部屋から出てきていた。 「…ああ」 「もー!いっつも、…ああってつれないなー」 「お前は…」 「え?なになに?」 楽しそうに見てくるもんだから何となく言う気力も無くし、レイは何でもないと歩きだした。 そうすれば「あ、ちょっと待ってよー!」と言いながらパタパタと後ろを付いてくる。 ナルカと一緒に(勝手に付いてきた)広間に来てみれば、既にいつもの様に円を描くような形で集まっていた。 「やあ!おはようレイ……と何故、君がレイと一緒に居るんだ」 逸早くレイの姿を見つけたジルが歩み寄ってくる。レイ以外はどうでも良いようで、ナルカの姿を認識した瞬間端整なその表情を歪める。 「ふん。あんたには関係ないでしょ?」 対抗心剥き出しで話し掛けてくるジルに負けじとナルカも毒を吐けば、レイを挟んで言い合いが始まった。 「これだから女は…」 「はー?なに、あんたホモなの?」 「勘違いしないで欲しいね。あくまで僕が興味を持てるのは、レイだけということだ」 「レイはナルのだから!」 ああ言えばこう言う。一向に終わりそうにないいがみ合いは無視し、朝の集会が始まった。
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