No.標

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いつの間にかさも自分が隣を歩くのは当然だという風に、黙って歩くレイの横をジルは並び歩く。 「そうだ、レイ」 心から愉快そうにレイの端整な顔をまたジルの端整な顔が覗き込む。 不本意ながら口を聞かなければ何を仕出かすか分かったものではないので、一応面倒事が起きる前に視線を向けた。 「さっきの電話の相手は、長老だね?」 「…お前が俺達を裏切った、っていうな」 正直言うとレイにとってはどうでも言いと言っても良いほど、興味の無い事だ。 だけど仮にも組織に所属している以上、今後彼が自分達の邪魔をするのであれば… ―――レイは迷わずジルを消す。 そんな思いが瞳に写り出ていたのか、ジルはすっと目を細めた後いつもの嫌になる程の笑顔を浮かべながら、言う。 「嫌だなレイ。勘違いさ…確かに僕は組織を抜けてきたけど、君の為なんだよ?」 「どういう…―――」 「ふふ。君はあんな籠の中に居ていい存在じゃない…」 不気味に感じる程の嫌な笑みを浮かべながら、ジルはレイに手を差し出す。
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