プロローグ

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西暦2×××年―― 日本は今、最大の危機に面していた。 ずっと危惧していた少子高齢化が進み、現役世代はどんどん減少していく。 それに加え、ネット社会がもたらした、電磁波による精子の減少。 女性も晩婚が主流になり、妊娠しずらい状況が続いていく。 少子化はますます加速し、高齢者は増加する一方で、そのどちらもが日本の経済を逼迫していた。 そのせいで予算がつかず、試験管による体外受精は衰退し、政府は国民に本来の子作りを推奨していくことになる。 政府は焦っていた。 このままではいずれ日本は破綻してしまうと…… それを打破するために作られた新しい法律が、この春……施行される。 憲法第×××条 『少子化対策支援法』 一、20歳未満の子供をもつ家庭を対象とし、嫡出子・非嫡出子に関わらず、一人につき月額20万円を毎月支給するものとする。 二、子供にかかる一切の養育費ならびに教育費、また光熱費等の居住にあたりかかる費用の全てを免除するものとする。 三、単身者または子供のいない家庭には、重税を課すものとする。 この法律がのちにいろんな夫婦に多大なる影響を及ぼすことになるとは、この時、誰も知り得なかった……
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