CASE1*百合子

7/12
前へ
/411ページ
次へ
ここは高齢者を収容している巨大施設“OldHome”。 昔で言う老人ホームみたいなものだ。 70歳を迎えると強制的にこの施設に収容され、その年齢に達していなくても働けないものは全て無条件にここに入らなくてはならない。 そうすることで、政府は少子高齢化で国の財源をを逼迫していた生活保護や年金制度を廃止することに成功したのだ。 それに加えて一番の悩みの種だった高齢者による医療費も、この老人施設のおかげで一気になくなり、施設内で治療することで、コストを押さえることが出来ている。 とにかく子供を増やすことだけを政府は考え、次々にそれに有利な法律を作っていったのである。 大人達は躍起になって子作りに専念し、おかげで5%にも見たなかった出生率は徐々に改善され、今では30%を超える勢いとなっている。 出生率が上がるに伴い、子供が二人以上いる家庭は、もはや当たり前となっていた。
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!

759人が本棚に入れています
本棚に追加