スタート

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アステリアはかなり喜んでいた。 「さすが私たちの娘ね」  夫の方に顔を向け、嬉しさを浮かばせながら言った。 「ああ……そうだな」  なぜか意図的にローラスのことをハブいているのはあるいたずらだった。  さすがに兄がかわいそうになったユリスは、声をかけた。 「大丈夫かの? 兄上」  声を掛けてくれたことに嬉しかったのか、さっきのローラスの周りに漂っていたダークなオーラが霧散霧消して、笑顔になった。 「うん!」 (立ち直りが速いのぉ……兄上だからか)  あまりにも速い立ち直りにユリスは心中で舌を巻いた。  ユリスが両親の方を顔を向けると、父と母は犬歯をむき出しにしながらむさぼるように、愛に満ちたまなざしで見つめ合っていた。 (とんだバカップルじゃ……)  夕食の後に多分吸血をし合うだろうと、彼女は心の中で思っていた。  そして、和気藹々となりながら夕食が終ったのだった。    
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