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あたりは真っ白に空間があるだけだった。尾崎悠斗は目覚めて最初に夢ではないかと思っていた。 しかし突然の激痛とともにさっきまでの記憶が蘇ってきた。
――横断歩道を渡っている途中、左から10トントラックが走って来て、速度を落とさず、むしろ上がっているように見えた。運転席を見ると、運転手が居眠りしていたのだ。
悠斗の前に小学生の女の子が歩いていた。
「危ない!!」
思わず叫び、女の子のところに走り、突き飛ばした。女の子は何が起こったのがわからず、悠斗の方を見ているだけだった。
突き飛ばさなかったら女の子はトラックにひかれていたのだ。
(よかった……)
顔を左に向けると、トラックが目の前に迫っていた。
もうぼくは助からない、と悠斗は思っていた。
トラックにぶつかったとき、悠斗の意識はブラックアウトした。
「女の子は助かったんだな」
今ここにいるのは、もう死んでいる、ということ。
悠斗はわかっていた。
すると目の前に光がほとばしった。悠斗はその眩しさにめを瞑った。
「…………?」
目を開けるとそこには翼をもった老人が真っ白いローブを着て佇んでいた。
「わしは創造神フェンネル。そなたの魂は純粋じゃ。おなごをの命を助けたしの。そなたの意志に感服した。それに踏まえて、転生してみてはどうじゃ?」
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