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「ん……」
わらわは起き上ると、キリッと頭痛が走った。
昨日みんなが帰った後に、サージェリアだけが帰る素振りを見せなかったので訊くと、
「…………もう少し……血……いい……?」
と言ったので、少しだぞ、吸わせたが、かなり吸われてしまったのだ。
そのせいで朝起きても貧血になったままじゃ……。
我慢、というのはあるのかのぉ?
朝ご飯は目玉焼きとトーストとミルクと、かなりシンプルだ。
前世も、シンプルだったのじゃ。この世界に転生してもシンプルに済ます癖、ていうのは……。
そんなことを思いながらトーストにかじりつく。マーガリンが程良くなっていて美味しい。
わらわら吸血鬼は夜行性だが、なぜか朝には弱くない。だが昼間に眠くなる。
……不思議じゃ。
昨日はサージェリアに血を吸われて貧血状態になり、着替える気も起きなかったじゃから、わらわが今着ているのは昨日着ていた血の跡がついたワンピースである。
シャワーを浴び、制服を着てその上にローブを着る。
ちょうど部屋から出ようとしたところで、ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴る音が聞こえた。
「ユリスー、起きてる~?」
ペルセフォネだ。
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