青空

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朝─────。 まだ人けのない町。 こんなにも明るくなったのに誰もいない。 あ。 ゴミ捨てに向かうご近所のおばちゃん発見。 よし。 すうっと思いっきり空気を吸い込む。たっぷりの水滴を含んだ空気はひんやりしていて、鼻の奥がツンとする。 その場にしゃがみ、両手の指を地面につく。 あ、ありんこだ。 小石たちが固められたコンクリートをじっと見つめる。 少し顔を上げてみる。 ゴミステーションの扉を閉め、視界から消えていくおばちゃん。 おばちゃんが見えなくなったら・・・・ よーい───── 心の中で唱える。
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