18人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい、居ますが…」
店の奥から男が出てきて彼等に顔をしかめた。
「度々すまんが、勅命だ。
今すぐにディアナを宮殿へあげよ―との」
男は慌てた。
「待って下さい!!
ディアナが何をしたと言うのですか!!」
「さぁ、詳しい話は聞かされておらんのでな…」
「しかし…」
男は尚も食い下がった。
「ディアナは只今、風邪で寝込んでおります。
国王陛下の御前にお出しすることはできません」
彼等は少し話し合って言った。
「しかし、火急の用とのことだ。
すまんがディアナを出してくれ!!」
そう言うと男たちは上にドカドカと土足で上がろうとした。
「やめて下さい!!」
突然、掠れてはいるが力強く、また空気を透き通らせるような美しい凜とした声が聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!