いち。問題はここから始まった

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「はい、居ますが…」 店の奥から男が出てきて彼等に顔をしかめた。 「度々すまんが、勅命だ。 今すぐにディアナを宮殿へあげよ―との」 男は慌てた。 「待って下さい!! ディアナが何をしたと言うのですか!!」 「さぁ、詳しい話は聞かされておらんのでな…」 「しかし…」 男は尚も食い下がった。 「ディアナは只今、風邪で寝込んでおります。 国王陛下の御前にお出しすることはできません」 彼等は少し話し合って言った。 「しかし、火急の用とのことだ。 すまんがディアナを出してくれ!!」 そう言うと男たちは上にドカドカと土足で上がろうとした。 「やめて下さい!!」 突然、掠れてはいるが力強く、また空気を透き通らせるような美しい凜とした声が聞こえた。
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