恐怖のはじまり

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寝る前に父が迎えに来て、晩御飯をごちそうしてもらって、となりのわが家へ帰る、というのが毎日です。 テレビを見ながら、晩酌をしている父に、おばさんとおじさんは幼稚園の話をしました。 『凜はモノを知らなすぎる、集団生活に慣れさせないと…』 おじさんは遠慮なく父にぶつけました。 父は、『金がない』ただそれだけを繰り返していました。 今となってはわかります。 制服や通園バック、上履き、クレヨンなど、ただただお金がかかります。 それに、妹が生まれたことで、本当に大変だったようです。 『幼稚園のことは…お金のことは、うちが面倒見るよ。』 おばさんには子供がいないので、毎日フルタイムで働いていて、生活に潤いがあったのは事実です。
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