恐怖のはじまり

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全然光が当たらなかったわけでもないんです。 すぐ裏に住んでいた佐藤さん夫婦には、本当に可愛がってもらいました。 母がパートに出るたびに、窓をコンコンと叩いて、家に呼ばれ、おやつを食べたり、クレヨンでお絵かきをしたりしていました。 佐藤さん夫婦には子供がいませんでした。 ある日、クレヨンで袖口が汚れていたことに母が気付き、掃除機のホースで叩かれました。 もちろん、佐藤さん夫婦にもとばっちりが行き、もう家からは出してもらえなくなりました。 砂時計を持たされたんです。 たかが4歳の私には砂時計が何分なのかもわかりません。 母が帰ってくるまで、何回ひっくり返したか、紙に○を書きなさい、嘘ついたらすぐわかるからねって…。
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