めぐる季節

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ふと、窓に目をやると白く散らつくもの。 「また降り出したか。」 曇るガラスを指で拭って外を見れば、やんだはずの雪が羽根のように舞っている。 春の祭りも始まろうとするのに、空はまだ冬でいたいのだろうか。 また不透明さを増してきたその向こうに動く人影。 頬を真っ赤にしながら、己の齢の半分もいかない子どもたちと戯れている恋人の姿に苦笑する。 雪合戦してやがる。まったく、お前は小学生かよ?
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