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「何って…質問に答えただけっスけど」
「だから何で答える。相手は子供だぞ」
「別に平気じゃないっスか? こんくらいなら」
「くおんにーちゃとまさるにーちゃはおしえてくれない!」
「ん? 二人にも聞いたんスか?」
「うん!」
目を輝かせて頷く美鶴に久遠と優は互いを見遣り、同時に溜息をつく。
だが、その後に紡がれた美鶴の言葉に久遠は凍り付く。
「けーたにーちゃはキラキラしてた!」
「キラキラしてた? 寮長が?」
「…須崎、どういう意味だ?」
「けーたにーちゃのね、けっけキラキラしてて、きれーっていったら、けーたにーちゃがこっちとおそろいなんだぞ! って、みせてくれたの!!」
嬉しそうに言う美鶴を久遠は数秒、呆然と眺めて。
今回の質問の原因が慶太である事が分かると優と悠布を見る。
「急用が出来た。出掛ける。美鶴、また後でな」
「くおんにーちゃ、おしごと?」
「ああ。少し遅くなる。優、左海、後は頼んだ」
「…分かった」
「了解っス」
「いってらっしゃい! くおんにーちゃ!」
「ああ、いってくる」
美鶴の頭を優しく撫でて、久遠は部屋を後にした。
勿論、行き先は寮長室。
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