風紀組×美鶴

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「美鶴? どうしてまた、その姿に…」 小さな美鶴を抱き上げて、そう聞くと美鶴は不思議そうに首を傾げた。 「…須崎、どうやってここまで来たんだ?」 「あるいた!」 「…お前一人でか?」 優の質問に美鶴は笑顔でうん、と頷く。 経緯は分からないが、どうやらこの幼い美鶴は一人で風紀専用教室までやって来た様だった。 「あり? ちっちゃい須崎君じゃないっスか! どうして此処に? まあいっか。須崎君も紅茶飲むっスか?」 「こちゃ?」 「紅茶っス」 美鶴を抱き上げたまま、久遠はソファーに座る。 悠布の言葉に首を傾げる美鶴に悠布はティーカップの中に紅茶を煎れてみせた。 赤みがかった液体を見て、美鶴は興味深そうに目を輝かせる。 「まっかっか! まさるにーちゃのけっけみたい!」 「副委員長のけっけ? …ああ、髪の毛の事っスか。確かにそうっスよね!」 紅茶の入ったティーカップを優、久遠に渡し、悠布は自分の分を美鶴に渡す。 「はい、どーぞ」 「こえ、ゆーにーちゃのこちゃ?」 「俺のはまた煎れるから。須崎君にあげるっス」 「あいあと! ゆーにーちゃ!」 満面の笑みを浮かべる美鶴の頭を撫でて、悠布は自分の分を煎れに向かった。 それを見送ると美鶴は両手でティーカップを掴む。
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