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「こっちには来てないみたいだけど…」
「んー、まあいいや。その内、帰ってくんだろうし」
「じゃあ、こっちで待ってなよ。もう少ししたらお菓子が出来上がるから」
「やった! あ、おい里久、お前ゲーム出来るか?」
PSP片手に智景はとてとてと里久の元に向かいながら、そう聞く。
聞かれた里久は不愉快そうに顔をしかめる。
「あぁ? 出来るに決まってんだろ、なめてんのかてめぇ」
「誰がお前なんか舐めるか気持ち悪い。そうじゃなくて、こいつ、倒せる?」
そう言って智景は持っていたPSPを里久に渡す。
渡されたPSPの画面を見て、里久は顔をしかめる。
「何だこれ。ドラゴンか?」
「おう。そいつ倒したいんだけど、中々倒せないんだよ」
「…操作方法は?」
どうやら、やってくれるらしい里久に操作方法を教えると智景は里久の隣に座り、画面を覗き込む。
何処からともなく、ぱしゃ、というシャッター音が聞こえたが、犯人は分かっているので、聞こえないふりをした。
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