1-S組

5/8
前へ
/163ページ
次へ
初心者の七緒に操作方法を教える智景と今だショックが抜けないらしい里久の姿を見て、美鶴は手元に視線を移した。 バン! と勢いよく扉が開き、何事かと目線をやれば、珍しく焦った顔の雪路がいて。 「あ、雪路。智景が探してたよ」 「え、マジ? じゃないっ! みーたん、大変だよっ!!」 靴を脱いで、部屋に上がりながら、雪路はそう声を荒げた。 そんな雪路を見て、美鶴は首を傾げる。 「何かあったの?」 「うん! めっさ、大変な事が…「あー雪路来たのか! 倒せないやつがいるんだ! 倒してくれよ! 里久じゃ、すぐ死ぬんだ」」 「てめえもさっさと死んでんだろうが」 「え、何? りっくんもやったの? そして死んだの?」 「おう! で、今は七緒が戦ってる最中なんだ!」 智景はそう言って、自分の後ろで「えいっ、えいっ」という掛け声と共にボタンを押す七緒に目をやる。それにつられる様に雪路もその姿を見て「新たなる萌えが!」と鼻を押さえた。 まあ、確かに掛け声と共に一生懸命画面を見つめる七緒ちゃんは可愛いんだけれど。 唯姉なんかはバトル物のゲームの時は「ぬぉおぉおぉっ! 死ねぇえぇえぇえ!!」とかそんな感じの掛け声を出してたし。
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!

835人が本棚に入れています
本棚に追加