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「て、違う違うっ!! そうじゃなくて! 大変なんだって」
「何があったの?」
「実は…「あ、勝った」」
「うおっ!? 七緒が倒した!! すげえな七緒っ」
「…一発で、だと…」
「……ぐすん」
「あー…三人というか、智景と里久は少し黙ってくれる? あ、七緒ちゃんは気にしないでゲームしてていいからね」
七緒との扱いに差がある! と抗議する智景から視線を外すと落ち込んだ雪路に話を促す。
智景から不満の声が上がっているが、取り合えず無視しておいて問題はない。
「あ、えっと」
「特にないなら、お菓子作りに専念したいんだけど」
「それなんて女子力…!? じゃなくてあります! あるんで話聞いて下さい」
今にも作業に移りそうな美鶴を慌てて引き止め、雪路はこほん、と咳払いをする。
「あのね、みーたん。落ち着いて聞いてほしいんだけど」
「うん」
「あのね………………
ーーーーーーイリア(作者)が自分探しの旅に出やがった」
雪路はポケットの中から四つ折り
にした一枚の紙を取り出すと美鶴に手渡す。
持っていたボール(生クリーム入り)を机に置くと美鶴は雪路から紙を受け取る。
そこには恐らく殴り書きと思われる乱雑な字で、こう書かれていた。
『すまん。自分探しの旅に出る。しばらく帰らない。捜さないで下さい。見付けても見なかったフリをしてあげて下さい。しばらく経っても帰らなかったら捜してやって下さいショタくれ
byイリア』
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