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「うう…」
「ご、ごめんな? 美鶴、大丈夫か?」
「だから無理だって言ったのに…酷いよ、智景」
「ご、ごめん…そんなに痛い?」
「痛いに決まってるだろ…あんな事、普段しないし…」
「ご、ごめん…何か歯止めが効かなくって、つい…」
「…次、気を付けてくれればいいよ」
「本当に?」
「うん」
「美鶴大好きっ!!」
「はいはい」
「…ところで」
腕に抱き着く智景の頭を撫でつつ、美鶴は後ろを振り返る。
そこには口元に手をやって俯いている雪路と里久が居て。
「何やってんの? 二人して」
「み…みーたん、ちーちゃんと一体ナニしてたの!?」
「何って…長座体前屈だけど…それがどうかした?」
「どうかしたのか?」
「「………」」
「二人共?」
「やめて!! そんな純粋な目で俺を見ないでぇえぇえぇえぇ」
「里久?」
「っ、わ、悪い、美鶴!! 俺はもう…駄目なんだ…!!」
そう言って逃げ出した二人を見て、美鶴と智景は目を会わすと同じタイミングで首を傾げた。
会話の中身は体育の時間にパートナーになった智景が美鶴の体の固さに驚き、無理矢理背中を押した結果、美鶴が腰を痛めたという。
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