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「……で、君はなぜこんな所に?」
「え?わ、私?」
「うん。そう君だよ」
「私はお料理に使う材料を取りに来たんです」
マリアンヌはそう言いながら、腕に抱えていた籠を彼に見せた。
「そうか…で一人でこの森に来たのか?」
「えっ…あ…はい」
にしても、こんなに整った顔立ちをした男の人を見るのは初めてだ。
面食いな幼なじみのセーラが一緒に居たらきっと騒ぐに違いない。
そんな事をぼーっと考えていた時だった。
「殿下!!!」
大声と共に木の影から現れたのは街中でよく見かける護衛騎士団が着る服を身にまとった男だった。
(えぇ!?あ、あれは騎士団の!!し、しかも今…)
突然、現れた騎士にも驚いたのだが彼が言った言葉にマリアンヌは軽くパニックを起こした。
聞き間違いでなければ目の前に立っている騎士は゛殿下゛と隣に座る男に向かって言わなかったか?
そして殿下と呼び掛けられた彼はチッと舌打ちすると「もう見つかったか…」と言ってふらりと立ち上がった。
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