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その人物は、私の姿を見つけるとそれまでの無表情を笑顔に変えて、脇目も降らず護衛の方々を引き連れて歩み寄って来た。
「やぁ!マリー」
「………」
「今日も…」
「あの、今すぐにでもそちらの方々を連れて店を出てもらえますか?王太子殿下」
私は冷めた笑顔で彼が何かを言おうとしていたのを遮り、店の外へ出るよう要求した。
只でさえ狭い店内が彼等によって余計狭く、むしろ暑苦しい。
すると、言われた本人は何を勘違いしたのか
「もう、仕事は終わりなの?じゃあ…」
「殿下…店内の状況を見て分かりませんか?今は昼時ですよ?終わりなわけないでしょう」
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