第1章

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その人物は、私の姿を見つけるとそれまでの無表情を笑顔に変えて、脇目も降らず護衛の方々を引き連れて歩み寄って来た。 「やぁ!マリー」 「………」 「今日も…」 「あの、今すぐにでもそちらの方々を連れて店を出てもらえますか?王太子殿下」 私は冷めた笑顔で彼が何かを言おうとしていたのを遮り、店の外へ出るよう要求した。 只でさえ狭い店内が彼等によって余計狭く、むしろ暑苦しい。 すると、言われた本人は何を勘違いしたのか 「もう、仕事は終わりなの?じゃあ…」 「殿下…店内の状況を見て分かりませんか?今は昼時ですよ?終わりなわけないでしょう」
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