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だけど僕は、
それでもいいんだ。
ずっと彼女と一緒にいれるんだもの。
彼氏だって知らない、
彼女のパジャマ姿、
ちょっと音痴な鼻歌、
静かに流す涙。
僕が彼女の事を一番知っているのは、
変わらないんだから。
だからお願い。
もっと僕を見てよ。
もっと僕に話してよ。
もっと僕の声を聞いてよ。
彼氏にはなれないけど、
僕は一緒にいれればいいからさ。
あ。
彼女がお風呂から出て部屋に戻ってきた。
わかるさ。
だっていい匂いがするもの。
彼女の柔らかい香り。
僕にはすぐわかるよ。
ねえ。
今日は学校どうだった?
何か面白いことあった?
色々教えて、
今日のこと。
でもやっぱり、
彼女は僕を男としては見てくれない。
まるでペットを相手にしてるみたいにこう言うんだ。
「チビー。
ここにいたのかー。
んん、どうした?
あはは、なんでそんな不思議そうな顔してるの。
おいで、お水持ってきたよ」
僕が犬だってことは、
そんなに問題じゃないと思うんだけどな。
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