4.

2/2
前へ
/40ページ
次へ
『色』 午前2時…総てを塗り込める色 漆黒の闇に身を任せていた。 ただ、色を失った海に漂う小舟の様に… 今では、わかる筈の無い畏怖されていた闇の世界 その闇に自分の魂が、今にも消え入りそうに、淡い光を放ち沈んで行く様を、微かな鼓動と共に、見つめていた。 夢と現実の狭間の淡き時間を、赤き雨が僕の心を染めて行くように。 命の意味合いが薄れ、虚空の心の支配者は闇となった。現実からの離別… そんな時間を過ごして来たし…これからも、変わらず過ごして行くのだろう… 街は灰色から紫色に色を変え、やがて様々な色彩を纏い始めるだろう。 僕の心の色を隠す様に…
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加