空に願う

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胸元で握りしめている青いハンカチ。 これは、本当は鈴の物。 何年も前に彼が貸してくれたハンカチを、私は未だに返せずにいる。 (鈴くんは、きっともう覚えてないだろうな…) 彼を知るきっかけになった、この青いハンカチは私のお守り。 落ち込んだときには元気をくれて、不安な時には安心をくれて。 時には勇気を与えてくれる。 青いハンカチの向こうに、私はいつも鈴の笑顔を見ている。 大切な思い出があるから、それで十分。 彼の頑張る姿を見られたら、それだけで幸せ。 今のままでいいと、そう思っていた。
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