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「まぁまぁ。準備終わったんなら、行こう? 結愛だって近くで見る方がいいでしょ?」
「あ、うん…。ごめんね、待たせて」
「別に謝んなくていいってー。結愛待ってる間に私もここから先輩見てたし。やっぱ窓際の席っていいよねー」
「あ。先輩も、もう部活に来てるんだ」
バッグを持って立ち上がりながら、チラリと窓の外を見やれば、亜紀が憧れているという先輩の姿も見えた。
「あたしがこっち来たのと同じくらいのタイミングで校舎から出てきたよ。あーんなカッコいいのに、結愛の視界には入んないんだもんなぁ」
「亜紀ちゃんだって、先輩のことしか視界に入ってこないでしょー。人のこと言えないよ」
そんなことを言い合いながら、2人ともいつもより少し早歩き気味に、野球部のグラウンドへ向かう。
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