絶望な日々

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その後、僕は誰もいない自宅に帰るため一人で歩いていた。 この帰り道は桜通りで時期的にも桜が咲き乱れていて、道全体を桜の花びらが淡くも華やかな桃色に染まっていた。 途中スーパーに寄り、買い物をしたので、片手に買い物をした商品が入った買い物袋を持っている。そして肩には学校指定のかばん。 「相変わらず、綺麗だな…この帰り道は」 と思わず呟いてしまった自分に苦笑してしまう。だが、ふと目の前に何かが落ちているのに気づく。 この道一面の淡い桃色とは違う色、緋色の何かが輝いている。 「何だろう?」 と輝きを放つ場所を覗き込むと、緋色の宝石が入った指輪だった。 宝石は緋色の光を放っていて、思わず綺麗な光を放つ指輪に息を呑む。 淡く、美しい光を放つ緋色の宝石に恐る恐る手を伸ばして触れてみる。 「綺麗だな……」 宝石を触れても輝きは失わずにいた。 そして宝石を手に取ってみると、宝石は掌の中が緋色に染まるほどの濃い光を放っていて、ますます綺麗に見えてくる。 「指輪を指に通して大丈夫だよね?」 好奇心だったのかわからないが、心に湧いてきた気持ちに負けてしまい、指輪の輪を人差し指に通してみた。すると僕は緋色の光に全体を覆われた。
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