絶望な日々

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ありえない……ありえない……。 日常的なこととは、全くかけ離れている出来事が起きているのは理解できている。けど思考が追いついてくれない。 知識、経験ともに頭の中にないことが目の前で起きているけど、わからないのが当たり前だろう。 本当に今の展開はマンガの世界みたいなような感じになっている。 指輪が自我を持ったように僕に話し掛けているからだ。 『しっかりしてくださいマスター?何故反応しないのですか?』 僕に対してキーの高い女性の声でイギリス語を使い、必死に問い掛けている指輪の声が、逃げようとする心に現実をたたきつける。 「はははっ……」 枯れたような笑いが込み上げた。本当、馬鹿馬鹿しいことばかり起きている。 けど、ただ固まったままで尻餅ついた状態では事は進まない。 とりあえず笑えてくるがこの指輪に話しかけて、理解出来るだけの情報を得るしかない。 心の中で腹をくくって、指輪に対して口を開こうとした瞬間、 『マスター!!後方から来ます!!』 と今までの穏やかな口調だった指輪が慌てた口調になった。後ろを振り返ろうとしたが、振り返ることはできなかった。 背後から背中を深々と斬られたからだ。
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