みぃと先生

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わからない……。 静まりかえった部屋。 無造作にほうりっぱなしだった自分とお父さんの服を片付けながら内心、疑問だらけだった。 それは、ついさきほど尋ねてきた人物に起因する。 「ねぇみいちゃん、いつもみぃちゃんが片付けとか洗濯とかしてるの?」 ほがらかな笑顔を自分にむけてくる女性。 まだ二十歳そこそこで、社会でたての… 私のクラスの先生。 それが、なんの連絡もなく、ふいに現れた。 私、なにかしたっけ? 怒られるようなことはたまにする。だが家に押しかけてくるほどのことをした覚えはない。 一体…なんだろう……? 疑問しか浮かび上がらない。 「お父さん、何時頃に帰ってくるの?」 「え…?も、もうちょっとかな…。」 時刻は6時。 いつもだったらあと30分ぐらいで帰ってくるだろう。 お父さんに話があるってことはやっぱり… 怒られるのかな? 怯えと、疑問が入り混じった複雑な心境の中。 ガチャ。 と、ドアノブが回る音がした。 自然に体が強張る。 お父さんが帰ってきた…。
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