Prologue

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――――――――――――… 時に二度寝というのは災厄をもたらす。 昔から何度も経験しているはずなのに、これまた繰り返してしまうのは人間の性なのだろうか? そんな風に哲学者っぽく振る舞いながら俺は再び起きたとき、時刻が15:00となっているのを理解するまで数秒かかってしまった。 声にならない叫びが喉から出る。 今から最速で準備したとして、待ち合わせ場所に着くのはどう考えても30分。 所謂遅刻というやつだ。 鬼の形相で佇むゆかりの姿が脳内に映し出される。 背中を冷や汗が通るのを感じながら俺は大急ぎで出かける準備を始める。 適当な服に着替え、乱れた髪を手ぐしで軽く整えると、持ち物もそこそこに俺は家を出て自転車をこぎはじめた。 電車が良いタイミングで来ると良いんだけど… そんなことを思いながら、ポケットにいれた携帯が延々と鳴っているのを聞こえない振りをし、皆が待つファミレスへといつ事故にあってもおかしくない速度で俺は進み続けた。
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