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「…遅いっ!!!」
俺が30分かかるところを奇跡的にも20分で着いて言われた一言がこれだった。
「…すまん。普通に二度寝してしまった。」
「あんたね、電話でも言ったけど子供じゃないんだから言われた時刻には来なさいよ!だいたいね………」
「はいストップストップ。痴話喧嘩は後にして、旅行の話を先にしようよ。」
そう言ってゆかりの話を遮ったのは、平田 健二 ヒラタ ケンジ だった。
彼は俺ら6人の中で自然とリーダーシップを取る、まとめ役だった。
うちの大学には推薦で入ったと言うだけあり頭脳明晰。
身長も高く、ナチュラルに整えられた髪型。
そして何より見た目のかっこよさからMr.パーフェクトと俺は影で呼んでたりする。
いつもの連中と会うだけだから適当に着てきたであろう黒いシャツも彼が着ると華やかな服になっていた。
「ほら、ゆかりも要がこんな謝ってるんだから許してやれよ。
そんで要も、次は絶対に遅刻しないこと。
良いね?」
そう言って優しく俺らに微笑む。
健二に言われると誰も言い返すことは出来ないほどのスマイルだった。
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