さらわれて。

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夢を見ていたみたい。 深い闇の底から意識が浮上する感覚――。 まだ目を開けたくない。このまま目をつむっていたら、また夢に堕ちていけそうだから。 何よりこの微妙な振動がたまらない。心地良い眠りに誘う・・・。 ん?振動?? 墜ちかけていた思考が、ここでようやく現実まで引き上げられた。 何故振動するのか? この振動に似た状態なら幾度も体験している。 そう。 車に乗っている時・・・。 しかし、自分は車に乗った覚えはない。
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