さらわれて。

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「しばらく預かるから。向こうにもそう伝えてあるし。」 預かるって、私の事? 向こうって、誰の事? ほどなく電話は終わり、パタンと閉じられた携帯を見つめながら、深く息を吐き出す。 悪い人では、ないのかな? 声は中性的で優しい感じだし、年も若そうに思えた。 それに、どこかで聞いた事がある気がした。 エンジンがかかり、車が動き出す。寝ている私を気遣ってか、もともとなのか運転は穏やかで、心地良い振動が眠気を誘う。 どこへ向かうのかな。 遠い所かな…。
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