さらわれて。

8/13
前へ
/37ページ
次へ
「もしもーし。」 「…っ…。」 「おーい。起きろー。」 「!?」 初対面の人間に、しかも異性に頭を撫でられていた。 ボボッと顔が熱くなり、慌てて起き上がったら、彼のおでこに直撃して、しばらく二人で悶絶した。 「元気そうだな。何より。」 おでこをさすりながら、ニッと笑う。その顔に、見覚えはない。 「……。」 パクパク口を動かしてみたけれど、掠れた息が洩れただけだった。 「大丈夫。気にすんな。」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加