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「…っ!」
私は、鞄からいつも使っている爽やかなグリーンのノートとボールペンを取りだし《ごめんなさい》と書いた。
私は声が出ない。生まれ付きではない。
原因が分からず病院を転々としたが、恐らくストレスによるものだろう、と言われた。
彼は驚く事なく、その書かれた文字を見て「気にすんなって言ったのに。」とまた笑った。
「急だけど、今日から俺んちで、うちの家族と一緒に暮らす事になったんだ。」
《なぜですか?》
「前から気にしてたんだ。うちの親父がお前の親父さんの友達で――。」
父さんも母さんもいない。今、一緒に住んでいるのは叔父さんの家だった。
叔父さんは厳しい人で、いつも睨まれている気がして落ち着かなかった。
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