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「また咲いたね。」
君が言った。そうだね、と言いながら、教科書をカバンから机に移す。
強く押しすぎたのか、教科書が机の奥にぶつかって鈍い音が響いた。
「あの花の名前、知らないんだ。いっつも見かけるんだけど。」
君とは家が近いから通学路も同じだ。たぶん、今朝見たあの花の事だろう。そう思いながら話を聞く。
「調べてみる?」
「え、いいよ。調べるほどじゃないし。」
好きだけど、そこまでじゃない。見ているだけで良いんだ。
君は不服そうに頬を膨らませた。
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