男の娘

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「綺麗ですね。」 近所のコンビニで店員に声をかけられた。二十代前半の、女の子。 レジでのちょっとした会話。周りに客はいない。 いきなり話しかけられたので俺は目を丸くした。出そうとした小銭が手から落ちてレジの上と床に情けない音を立てて散らばった。 慌てて床に落ちた分を屈んで拾い集め立ち上がると、残りは女の子が拾ってくれていた。 「あと百七十円足りないです。」 にっこり笑って、そう言った。
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