干物女

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唐揚げにレモンをかけ、唐揚げを食していると、パーマさんがトイレの為、席を立った。 爽やかお兄さんと紗英ちゃんは、目の前に座って、仲良くまだ話している。 パーマさんが居なくなった今、世界が2つに分けられている気分。 ちょうど私の目の前には、怖いお兄さんだし…みんなの真ん中にいたパーマさんが居なくなると……何とも言えない恐怖感。 怖い…。 い、いやいや私が気にしなかったら、向こうもまったく気にしないはず。 帰ったら、アニメンタル!帰ったら、アニメンタル! 自分の頭の中に何度も話しかけ、アニメンタルのことだけを考えよう! ドラマCD付きなんだよなぁ、楽しみぃ。 顔がニヤケてきたところで、唐揚げをまた食べ、レモンもついでにかじった。 す、すすす、すっぱ~!!! あまりの酸っぱさに顔がしわくちゃになる。 「ぶっ…」 「ん…?」 何か笑われた気がしたから、しわくちゃになった顔を戻し、必死に酸っぱさを堪えながら目を開いた。 今、誰か笑わなかった? 目の前の怖いお兄さんを見ると、無表情で相も変わらず遠くを見ている。 紗英ちゃんと爽やかお兄さんを見ると、まだ2人で楽しそうだ。 「?」 気のせいかな。 またレモンを食べた。 す、酸っぱい…!!!! 忘れてた。 私って、学習能力が乏しかったんだった。  
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