干物女

22/27
431人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
レモンのあまりの酸っぱさに、私はオレンジジュースを飲み干した。 あぁ、甘い。でも、さっきからオレンジジュースを飲むたびに頭がボーっとしてくるんだよね…。 うぅ………。 なんか眠い…。 帰りたい。 帰ろっかなぁ。 爽やかお兄さんと話している紗英ちゃんの背後に近付き、肩をポンポンと叩き、こちらに向いてもらった。 「…私、帰るね」 紗英ちゃんに言うと、私は満足して、いくらかのお金を紗英ちゃんに渡し、個室から出た。 「えっ、ちょっ…ま…!!」 紗英ちゃんが私を呼ぶ声が聞こえる。 でも、いいんだ。 だって、もう眠いし疲れたし…早く帰りたい。 ごめんね、紗英ちゃん。お先に。 受付を通って、外に出た。 あー…! もう真っ暗だ…。 早く家に帰ろー。 足がなんかフラフラする…。 頭もボーっとして変な感じだ。 お店を出て、家路まで歩こうとしてるけど…なんか…足フラフラして、上手く歩けないや。 もう…今日はとことんツイてないなぁ…。 早く帰って、ジャージに着替えてゴロゴロしたい。 もう何もかも、今日のことがなかったみたいに忘れて、寝たい。 あー…こんなに歩いてるのに、まだ…つかないし……なんか…気持ち…悪い………かも………。  
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!