第2話:復讐の殺人

4/5
前へ
/28ページ
次へ
 家に上がった俺と洋子はリビングへ案内され、ソファに腰掛けた。向かい側には笹本が座る。 「早速ですが、秋子さんには付き合っている男性は居るんでしょうか?」 「今は居ません」 「今は、ということは、以前はいらっしゃったということですか?」 「はい。一年ほどでしたが……」 「では、その元彼の名前と住所を教えて頂けますか?」 「赤山(あかやま) 達彦(たつひこ)という名前です。住所は分かりません」 「有り難う御座います」  会釈する俺。 「洋子、行くぞ」  俺と洋子は笹本の家を出て、車に乗って役所に行き、そこで赤山 達彦の住所を教えてもらい、赤山の家に向かう。  赤山の家は練馬区の住宅街にあった。  俺がインターホンを鳴らすと、赤山 達彦が出て来た。  洋子が赤山に警察手帳を見せる。 「警察が何の用ですか?」 「笹本 秋子さんが殺害されました」 「何ですって!?」 「赤山さん、貴方、笹本さんと付き合っていたそうですね」 「ええ、少しの間……」 「別れる原因になったのは何でしょう?」 「秋子に他に好きな人が出来たんですよ。それで別れたんです」 「そうですか。では、昨夜の十時前後、どちらに居(お)られましたか?」 「刑事さん、まさか俺を疑ってるんですか?」 「いえ、形式的なもので……」 「その時間なら、俺はコンビニに買い物へ行ってました」 「それを証明することは出来ますか?」  赤山はポケットからコンビニのレシートを取り出す。  レシートには二十二時に買ったという記録が書かれている。 「有り難う御座います。では」  俺と洋子は車へと戻った。 「洋子、コンビニの防犯カメラの映像を見せてもらおう」 「分かった」  洋子が車を発進させ、俺たちはコンビニへとやってきた。 「いらっしゃいませ!」  洋子は店員に警察手帳を見せた。 「警視庁の荒川です。昨夜の防犯カメラの映像を見させて頂けませんか?」
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加