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「分かりました。こちらです」
事務室に案内される俺と洋子。
「何時ごろの映像を見られますか?」
「二十二時」
店員がテープを再生させると、モニターに店内の様子が映し出された。
時刻が二十二時になり、後藤が店内に入ってくる。
「洋子!」
「後藤さんね」
「それはそうと、赤山は来ないね」
「でも赤山はレシートを持ってたのよ? 来る筈よ」
しかし、いくら待っても赤山は来なかった。
「洋子、赤山の所へ行こう」
「そうね」
俺と洋子は車で赤山の家に戻った。
玄関先で赤山と話をする。
「赤山さん、秋子さんを殺したのは貴方ですね?」
「ちょっと聡!?」
「何を言ってるんですか、刑事さん? 俺にはアリバイが」
「貴方のアリバイなら崩れましたよ。貴方が持っていたレシート……それは、角山書店の後藤さんが買い物をした時に貰ったレシートですよね? 貴方は秋子さんを殺害後、後藤さんからレシートを譲り受けた。違いますか?」
「そんなの憶測に過ぎない! 俺を犯人にしたいんなら、証拠を持ってこい!」
「ではレシートを貸して頂けませんか? レシートに後藤さんの指紋がついてないか調べさせていただきます」
「なっ……!」
赤山はその場に膝をついた。
「秋子の奴、俺の妹を自殺に追いやったんだ! 全部アイツが悪いんだ! だから殺してやったんだ!」
「詳しいことは署の方で聞きます」
洋子は赤山に手錠をかけると、彼を車に乗せて警視庁へ向かって行った。
その後、警察の調べで後藤も共犯者だということが判り逮捕されたという。
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