第3話:フェリー殺人事件

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「あ、バレた?」 「やっぱそうなんだ」 「そんなことより捜査」 「何から始めればいいかしら?」  俺は九条に向く。 「九条さん、お住まいはどちらです?」 「北海道ですけど、何か?」 「本州にはどんなご用で?」 「旅行ですよ」 「その時、誰かとトラブルを起こしたとか?」 「ありませんよ、そんなこと」 「そうですか……」  犯人は間違いなくこの男。しかし証拠が無い。 「洋子、凶器がどこかに捨てられていないか探してきてくれ」 「分かったわ」  洋子は凶器を探しにいった。 「九条さん、聡美さんを殺害したのは貴方ですね?」 「なっ、何をバカな!」 「貴方は部屋で聡美さんを殺害後、部屋を出て自販機で缶ジュースを買って戻った。そして悲鳴をあげたんです」 「証拠はあるんですか!? 僕が殺したと言う決定的な証拠が!」 「残念ながら今はありません」 「憶測で人を犯人にするのか、警察ってのは!?」 「あ、僕は警察じゃありません。探偵です」 「どっちだっていいだろ! 兎に角、僕を犯人にしたければ証拠を持ってこい!」 「聡、あったわよ!」  洋子が凶器と思しきナイフを持って駆けてきた。 「この凶器に貴方の指紋がついてるか調べても構いませんか?」 「好きにしろ。どうせ僕の指紋は出ないさ。僕は殺してないんだからな」 「分かりました。ではそうさせていただきます」  俺は洋子を連れて部屋へ戻った。 「犯人、彼で間違いないの?」 「間違いない」 「でも彼、余裕そうだったわ」 「大方、手袋でもして犯行に及んだんだろう?」 「違ったらどうするのよ?」 「その時は探偵を辞めるよ。それより道警が来たら起こしてくれ」  俺はそう言うとベッドに横になった。 「……とし、聡!」  目を開けると、洋子の顔があった。 「道警が来たわ」 「凶器は?」 「渡したわ。今、鑑識が指紋を調べてる」  コンコンというノックの音とともに小太りの男が入ってきた。 「荒川さん、指紋は出ませんでした」 「手袋痕(こん)は?」 「ありました」 「有り難う御座います」  俺と洋子は部屋を出た。  九条が居ない……。 「洋子、九条さんは?」 「部屋よ。遺体も運んだからいいかなって思って」  俺と洋子は九条の部屋に入った。
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