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俺の名は黒沢 聡(くろさわ さとし)。都内で探偵事務所を経営している。
今日は依頼人が来ている。それは、警視庁捜査一課の荒川 洋子(あらかわ ようこ)警部である。
「で、依頼の内容は?」
「居なくなった彼氏を捜してほしいの」
「そうか。じゃあその彼氏の名前を教えてくれないか?」
「三上 雄一(みかみ ゆういち)よ」
「写真は?」
洋子は懐から一枚の写真を取り出した。
「これが三上 雄一か」
写真には二枚目の男が写っている。容姿端麗な洋子にはお似合いだ。
「金はあるんだろうね?」
洋子は懐から封筒を取り出した。その中には福沢さんが五十枚入っている。
「取り敢えず前金として五十万用意したわ」
「有り難う。所で、彼氏の捜索願は出てないの?」
「それが……彼、身寄りが居なくて」
「そうか。取り敢えず、彼の家に行ってみよう。何か手掛かりが掴めるかも知れないしな」
「行ってみようって、私も一緒?」
「当然。だから道案内してくれ」
俺はそう言うと、出掛ける仕度をし、洋子と共に事務所を出た。
俺と洋子は三上 雄一の住むアパートにやってきた。
部屋の鍵は大家さんに事情を説明して開けて貰った。
「さて、手掛かりになるものは……と」
俺は室内を調べた。
見つかったのは旅行のパンフレット。
「雄一さんはどこか行く予定でもあったのかな?」
「そう言えば京都へ行くって言ってたわ」
「パンフレットも京都のこと書いてあるし、そこへ行ったのかもな」
「でも京都行くって言ったの、半月前よ」
「戻ってくる気が無いんじゃないか?」
「でも家具とかそのままよ?」
「取り敢えず、京都へ行ってみよう」
俺と洋子は東京駅から新幹線で京都に向かった。
京都に着いた俺たち。
腕時計を見るとお昼を回っていた。
「洋子、何か食べようか」
「そうね。ちょうどお腹空いてきたし」
「何食べる?」
「何でもいいわ」
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