第1話:人捜し殺人事件

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「あの、先程の様子からすると、何らかの事件が起こってると思うのですが?」 「ああ、実は遺体の身元が不明で困っていたんですよ。そこへあなた方が来たもんで……。それで、この人の名前は?」 「三上 雄一っす」 「彼は、雄一は殺されたんですか?」 「それは今調べてる最中です。それより、遺体の確認をお願いしてもよろしいでしょうか?」  俺たちは頷き、死体安置所に案内された。  刑事が遺体の顔に被せられた布を外す。 「雄一!」  洋子が遺体を見つめる。  嫌な予感は的中した。 「洋子……」 「一体、誰がこんなことを……」 「洋子、犯人捕まえよう」 「あの、あなた方は一体……?」  刑事の疑問に、洋子は警察手帳を出した。 「警視庁捜査一課の荒川です」 「これはご苦労様です」 「自分は探偵の黒沢です」 「どうして探偵が捜査を?」 「いや、自分は三上 雄一を捜してくれと荒川に依頼されたから捜してただけです」 「そうでしたか」 「それより遺体の発見場所は?」 「近くの空き地です」 「洋子、行こうか」 「うん」  俺と洋子は遺体の発見場所である空き地へと向かった。 「ここが現場か……」  府警の話では、雄一は腹部を刺されて死んでいたという。  現場には争った痕跡がないので、別の場所で殺されて運ばれてきたのだろうという見解だ。 「手掛かりになるものは……」
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