第2話:復讐の殺人

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「さて、どうしようか?」 「昨日の夜、喧嘩してたっていう男女を捜そうよ」 「見つかるかな?」 「それを言っちゃおしまいよ」 「よし、じゃあ捜そう」  その時、洋子の携帯電話が鳴った。 「荒川です」  応答する洋子。 「……それ本当? ……分かったわ。行ってくる」  電話を切る洋子。 「どうした?」 「昨夜、喧嘩してた男女の男の方が見つかったって。名前は小宮山(こみやま) 博司(ひろし)。今から行くわ」  洋子は車を発進させた。  千代田の住宅街に小宮山の家はあった。  洋子がインターホンを鳴らす。  小宮山と思しき男が出て来て訊く。 「どちら様?」  洋子が小宮山に警察手帳を見せると、小宮山は慌てた様子でドアを閉めようとしたが、俺がドアに足を挟んで全開した。 「小宮山さん、何かやったんですか?」 「すみません、万引きやりました」 「そう。それより、笹本 秋子さんをご存知でしょうか?」 「え、万引きの捜査じゃないの?」 「違います。今は殺人事件の捜査をしています」 「殺人!? 僕は関係ないですよ!」 「小宮山さん、貴方、昨日の夜、女性と喧嘩されてますよね?」 「喧嘩はしてないですよ。別れ話をしてただけです」 「相手は笹本 秋子さんですか?」 「誰ですか、それ?」  俺と洋子は顔を見合わせる。 「シロ?」 「だろうね」  俺は小宮山の方を向く。 「お時間取らせてしまってすみませんでした。万引きについては後日、警察の事情聴取があるでしょう。では」  俺と洋子は踵を返し、小宮山の家を後にした。  笹本家。  インターホンを鳴らすと、中から四、五十代の女性が出て来た。きっと、笹本 秋子の母だろう。 「警視庁の荒川と申します」  と、洋子が警察手帳を見せる。 「秋子さんの件でちょっとだけお話を聞かせて頂けますか?」 「どうぞ、お上がり下さい」
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