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「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
振り向くと、腕は包帯で巻かれて固定され、顔には見える部分が少ない程ガーゼが貼ってあり、見ていて可哀相になる中ボスがいた。
「なんだ中ボスか。なにか用か?」
「フッ。子供と思って油断してしまいましたか。
わたくしのウィークポイント…それは優し過ぎることです。」
「ウソつけ。思いっきり本気だったではないか。」
「負けた上に、つまらない言い訳されるとこっちまで情けなくなりますよね。」
「グッ……!可愛いげのないガキどもですねぇ。
この借りは必ず返させてもらいますから覚えておきなさい!!」
ビュー-ン
中ボスは電光石火のごとく消えて行った。
「よし。さっさと城に戻るぞ。」
「あ、殿下。あたし、ちょっとトイレ行って決まーす。」
サササッ
「エトナ様が逃げたー
…ということは、もしかして俺たちがこれ全部運ぶんすかー?」
城という外見以外ほぼ全ての物を奪っきたので、ラハール達の戦利品は首が痛くなるくらい高く山のようになっていた。
「オレたち、エトナ様に雇われた家来で、殿下の家来じゃ……」
「エトナの家来は、俺様の家来。俺様の家来は、俺様の家来だ。
わかったら、さっさとしろ。」
「そんなぁ~……」
プリニー隊が深いため息をついていると、他のプリニー達と少し違う雰囲気をもった姐御肌のプリニーが現れ
「まぁまぁ。あんた、次の赤い月で役目は終わりだろ。」
「…それも、そうっすね。わかったっすよ。」
こうして一行は魔王城へと戻って行った。
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