第一話「行ってくだちい」

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全員が自己紹介を終えたが、はなすこともなく部屋は静まり返る。 「いやぁしかしここはどこでしょうか。」 窓の外には普通の変わらない景色。 「あれ?ここ東京?」 外には勇ましく立つ東京タワー。 高岩は窓に近づき、鍵に触れようとするが、なぜか触れることができない。 「無駄だよ。おれも何回もやったけど一回も触れなかった。」 山下がそういうと 「玄関も…駄目でした…。」 朝山がそう言い足した。 「どうなってんだこの部屋。」 高岩はそう呟く。 「しかしこの玉何でしょうかね。」 この部屋にいる全員がそう思っていただろう。 斎藤が黒い玉のとこに近寄り、ペチペチと玉を叩く。 「なんか…ツルツルしてます。」 「そりゃあみりゃあ分かるだろ」 斎藤に対して高岩がツッコミを入れた瞬間、黒い玉が急にガシャンッ!と音を立て、左右に勢いよく開いた。 「…びっくいしたー…」
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