ありえない

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私が小学二年生の頃最初の暴君教師に出会った。 女性教師で名前は西田輝子彼女は妊娠中でお腹が大きかった。黒髪でショートカット顔は脂でテカり赤ら顔。いつも白いマタニティジャンスカに赤いボーダーのインナーを着てデッキシューズを履いていた。6年生を受け持っていたが新学期スタートで低学年の担任に下りてきたのだ。新学期がはじまりすぐに給食がはじまる。当時好き嫌いがある子供はいけないと厳しく指導がされている時代で、給食できらいなものがでると辛かったものだった。私は牛乳が嫌いだった。 給食がスタートしたその日から暴君教師の指導という名前のイジメがはじまった。 給食が配膳され皆で挨拶をし給食がはじまるその前に西田が生徒に言う。 「いい?良く聞きなさい。今日の給食で嫌いなものがある人。手を挙げなさい。」おずおずと数人が手を挙げる。 「いい?先生は好き嫌いは許しません。ちゃんと今日は一口 先生の前で食べなさい。」 野菜嫌いな子 、お肉嫌いな子、そして牛乳が嫌いな子。私は牛乳が嫌いだった。皆それぞれ立たされて先生とクラスメートの前で食べさせられる。順番が回り私の番…。一口目をつぶりゴクリ乳臭さが鼻を抜け吐きそうになる。何とか堪え飲み込みすぐにみそ汁を流し込んだ。満足げに西田は生徒を座らせる。私も座り給食を食べようとした時はすむかいに座っていた藤井が言った。「コイツ飲んでないぜ。飲んだふりしてるだけだぜ。減ってねぇもん。」この藤井って男子はかなり意地が悪い。 一々嫌味を言って来る。 初日の給食洗礼は何とか終わった。
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