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翌日もまた授業が始まる。一時間目の授業が終わり、10分休みのときの事。
クラスの千葉博子ちゃんがイチゴの香りのスティックのりを持って来ていた。
子供の頃はカラフルな色やかわいいイラスト入り香り付き文具に弱い。当然女子のきゃあ☆きゃあの話題になる。そのなかのひとりが言い出す。「ねぇひろぽん。手の平にのりつけて。」無言でのりを塗ってあげるひろぽん。…それをみた他の子達も私も私もで教室はたちまち人工的なイチゴの甘ったるい臭いに包まれた。休み時間が終わり西田が教室に入るなり眉間にシワを寄せ言い出した。「なんか甘い臭いがする!何?!」語尾はほとんど怒鳴り声だった。最初にのりを塗って貰った子が耐えきれずみんなでのりを塗って貰った事を話す。
「のり塗った奴全員前に出ろ!」おずおずと前に五人の女子がでてならぶ。西田の顔は怒りで真っ赤。あぶらテカりがめだちモロ鬼の形相だ。「手の平見せなさい」のりの付いた手の平を差し出す。西田は汚い物をみるように見下ろし、一言「汚い!」と吐き捨て 順番に一人ずつげんこつであたまをゴツンゴツンと殴っていく。殴り終えたら
ため息をつき、「あんたらのいしあたま叩いて手が痛いわ。怪我させないでくれる?!ボケ茄子!さっさと手を洗って来なさい!」泣きそうになるのを堪える子もいた。あの顔はなまはげに似てたからなぁ…。だからか皆慌てて手を洗いに行った。
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