2011年

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「松山様、何か悲しいことでもありましたか?」 「……」 ――何故。 何故か。 バレた。 おかしい。 顔に出ていたか。 しかし、子供相手に感情を剥き出しにするほど、私は――。 ふわり、と首回りを何かに絡めとられた。 赤い布が目の端に見える。 眞守巳がしていた襟巻きを南龍にしたのだ。 寒いでしょう? 眞守巳が照れくそうに笑う。 「それに、これで雪の中でも松山様がすぐ見つかります! ねっ?」 子供らしく話す眞守巳を前に、南龍は力をなくした。何を考えている。 相手は子供だ。 子供は勘がいいと言うではないか。 やはり、要らぬものまで見抜かれたか。と南龍は襟巻きを無くし寒々しそうな眞守巳の腕を引いた。 「これでは眞守巳殿が寒かろう。……ほら」 「ふぇ?」
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